【14:45　ビル6F】

ん？
揺れるビルですね
高いから？
耐震構造？
それにしても長いですね･･･

ぐわぁあああぁぁぁあぁ～～～
これ地震？！
もう終わり？止む？
まだあああああ～
ぐわぁ～～～～～

座っているイスもつかまっているカートも
全部が一度にスライドする
隠れる場所もなく振り回される
見上げるとダンボールが1つ
そんなことよりこのままビルごと
ガラガラと落ちていくのを想像した
この見ず知らずの美しい人たちと
最期を迎えるのだと覚悟した

揺れながら広いロビーに連行されると
数人の女性客が集まっていました
気分の悪くなっている人もいました

その後も何度か大きな揺れがやってくる
スタッフたちは一様に落ち着いて客の面倒を見る

外が気になって窓に近づいてみるとさらに揺れ！
ああ皆外に出てるな
アタイも終わったので帰ります

【15:30　脱出】

非常階段をさっきのギャルと一緒に下りる
センセですか？
お美しいですね
やはりお手本にならないといけませんよね
ここのスタッフは皆美しい

「いっぱいやってますから＾＾」
「よかったらまた相談に乗りますよ」

本当また来たくなりました

しかしやはりこういうところへ来る女性というのは
美意識が高いですね
服装から持ち物から髪型から
すべてにおいて個性的
こんな状況でさりげなく交わす会話も自然
洗練された都会的な女たち
もっとブーちゃんが集まっていると思っていたので意外でした
長年悩んでいて決心してよかった！

*****【15:45　タクシー乗り場】*******

駅前には人だかり
駅からはどんどん人が押し寄せてきます
全線運休で今日中の復帰は見込みなし

タクシー乗り場に行ってみると長蛇の列
イヤイヤながらとりあえず並んでみるも
チビリチビリと耐え切れず

【16:30　離脱】

　寒い

　電波届かない

　トイレ行きたい








バス1本で帰れる隣町まで歩く

【17:00　品川高輪口】

　スタート！
　











人ごみの中遅いのでどんどん抜かれます
バイクだとあっという間だけど歩くと遠いね(*'д`*)

隣町も大混雑
もう最後尾がわからないくらいの行列
バスもタクシーも来そうにない
ただこうして待っているのが耐えられない

家まで歩こう
この道1本だから
・・・って何キロ？

【18:00　五反田】

ホテルには満室の札
早仕舞いしている店もあります

　【18:25　中原街道入り口】












杖でどんだけ～
もう疲れた～
どんなに遅くても歩いていれば着くんだ
そんな気力だけで休み休み
路駐のバイクが気になったけど謎

公園で路肩で
みんな休む
みんな携帯
みんな一服
寂しくないね

　【戸越銀座　18:40】












車のショールームで「トイレご利用ください」の看板
まーステキなサービス

　【19:35　環七】












いつの間にか携帯の電池が切れる＿|￣|○

【20:30　環八】

Kサツが交通整理をしています
停電で信号が消えている地区もあるそうだけど
この辺りはいつもと変わらない
じゃ信号消えてるトコ行けば？

9台のバスを抜く
車より歩いている方が早いみたい
30分で100ｍと言う声が聞こえました
並ばなくてよかった

杖なのによく歩いたね
ハタからでもそう見えたと思う

もう後数百メートルというところで
「乗っていきませんか？」と声をかけてくれたおばさんがいた
杖を突いてヨロヨロしていたのが不憫に見えたのか
ケガの足よりも
腰が股関節が腕が肩が
体中がギシギシしています
誰か肩を貸しておくんなまし

【21:15　帰宅】

本当に歩いて帰ってきました
こんな歩くはずじゃなかったと足さんもビックリ
かなりハードなリハビリになりました

鶴見とか横浜とかいう声も聞こえてきました
まだまだもう1つ橋を渡らなくちゃいけない人たちがいっぱいいる
渋滞の中車に缶詰の人もいる
自分はまだラッキーな方かもしれない

　【22:00　夕食】















ネットが切れていたり
不安定なモノが倒れたり落ちたくらいで
家の中は変わりなく安心しました
Yさんは無事を報告してきてから連絡がない
きっと足がないんでしょう
酔ったおじさんに歩く根性なんてないんでしょう

******総評*******

こんな時生き延びる人家にたどり着ける人の違いは
「生命力」だと思いました
生きるぞ！帰るぞ！
そう思っていればできる
現実的な問題もありますが

「せっかくよくなってきたのに」
「4時間も歩くなんて」

外で一晩夜を明かすよりはマシだと思いました
バスやタクシーで渋滞にはまるのは耐えられないと思いました
無謀だと思ったけど達成感がありました
みんな歩いている
みんな帰りたい
みんなおなかが空いている
みんな疲れている
そんな一体感がありました

翌日は全身筋肉痛でバキバキです
余計歩けなくなってしまいましたが
単なる運動不足の結果です

たまたまお出かけしていた時に限ってこんなこと
お家にいなかったことを悔やみましたが
かえってその方が何かの最中だったりして
火を使っていたりPCがつながっていたり
一人ぼっちでもっとパニックに
もっと事故になっていたかもしれません

留守中で何もかもオフだったのも幸いかも

引き続き余震が続きます
バイクでは死ななくても
地震では死ぬかもしれない
震災には誰も勝てない
そう実感しました

△閉じる△