******道連れ*******


「立て続けに～？！」
「本当に？」

ズル休みをする時、親戚の葬儀で嘘をつく。
コバちゃんが休むに休めず、作り話をしているかのよう。
叔母さんが寂しくて、伯父さんを呼んだかな。

伯父さんは若くして発病し、親戚づきあいも近年はほとんどなく、
病状は思わしくなく、今回は皆覚悟を決めていたようだった。

実家のリフォームをやってくれたのは、大工職人の伯父さんと息子のM君だった。
初めて見るカンナ削りや墨壷が面白くて、近くで見学していた。
少し出た釘を打ち込んだら、伯父さんが後から元に戻したけど、
その理由は結局わからずジマイ。

「松崎しげる」を優しく丸くしたような、一見ゴツイ雰囲気だけれど、
目がなくなるくらい、いつもニコニコして、
面白いことばかり言って笑わせてくれた。

「今夜がヤマだから」
「用意しておきなさい」

その晩、白鯨さんたちと騒いでいる間に、本当に逝ってしまったのだった。

母親の兄貴だからいくつになったんだろう？
Mお兄ちゃんたちとも、子供のころ以来だから、
ずいぶんオジサンになっただろうな。

今度の式場は未知の国●玉県、距離にして実家と変わらないけど、
野生の勘も鈍る遠い世界。
朝の通勤ラッシュ？山手線？
ヒエー（;ノ´д`）ノ

やっぱりモンちゃんと行くべ。
いや、誰か黒いバイク貸してくれない？

そういえばおくりびと時代、何度もお迎えご案内をしてきたけれど、
どんなに遠方でも、式場にバイクで来た人っていなかったな。
人一人の移動には、バイクが最速ですよ。

伯父さんゴメンね。
元気なころ、もっと遊べばよかったよ。
でも●越は遠くてさ！

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