「どちらかでお仕事中でしょうか？」













　ハイ、ただいま（略）

　「お給料はどれくらい・・・？」













　モンちゃんに吸い取られて（略）

　最初から質問攻め。
　
　ちょっとアタイも質問してよくって。













　またお中元商戦ですか？
　募集広告は？












　過去の通信簿から連絡しています

　
　過去の優秀な人材がそろえば、
　広告は出しません
　










　オオォォォォォ(ノﾟoﾟ)ノ


「また来てくれない？」
「小林さん、仕事丁寧だったもんね」
「マジメだし」
「大体の仕事がわかるでしょ」

ピカピカの新人おばさんを新たに使う入れるより、
そりゃー経験ある人の方が、使う方も楽だってか？！





やだーコバちゃん、2回目ってことで、
今度こそガンタンクに乗せてくれたりする？！

古巣の職場かー。
また来てくれだなんて、そうあることじゃない。
短期で使い捨てのアルバイト、1年以上も経ってから連絡をもらうとは、
嬉しいやらビックリやら、ムゲにできないまま電話を切る。

ルン♪

どーしよ？！
あれはあれで面白かったよ。
パート友達、社員、知ってる人はほとんどいないだろうけれど、
淡々と黙々と、目の前の敵をやっつけていく作業、キライじゃなかった。
正確で丁寧と言われると、ますますやり甲斐がある！

あんな誰にでもできる仕事、誰だっていいと思っていた仕事に、
またリクエストをもらうなんて、想像もしていなかった。

仕事に困ったら、いつかまたと考えてはいたけれど･･･
今すぐ、白鯨を放り出すわけにもいかないしナァ。
きちんとしたご主人様が来てくれないと、鯨君死んじゃうしナァ・・・

初めて2足のわらじってのを履いてみるとか。
NARUTOに影分身の術を教わってくるとか。

ガンタンクの巣。
いろんな意味で大切にしたいと思うのです。

△閉じる△

これを見て、「おくりびと」という職業を希望する人が増えたって？

「人の不幸で飯食ってんだろ？」

この世界が忙しいのは、暑い夏と寒い冬、
穏やかな時期は暇で、日給月給のパートにしてみれば、
「誰かそろそろ死んでくれないか」とさえ思う時があった。
暇をもてあましているところへ、「仕事入ったよ」と連絡があれば、
浮き足立ってテンションが上がったりした。

そのうち人の死に慣れ、死人に慣れ、喪服に慣れ、線香に慣れ、
「仕事」として一筋に淡々と打ち込むことができる。
いい仕事ができるようになる。

お釜の扉が閉まると同時に泣き叫ぶ遺族ら。
腰が抜けて歩けなくなる人。
救急車を呼ぶ。
そのまま逝く

ガンのおばあちゃんだと45分くらい、
糖尿病でメタボなおじさんだと90分、

「ネェまだなの？」
「1時間以上経つんだけど」

いやその、ウェルダンに焼きあがるまで、追加焼入れを･･･
あ、収（拾）骨室が混み合っておりま･･･

ヤベェ、棺に入ラネェ！
足をボキっと（略）

できる？
本当に？！

　そんな甘いモンじゃなくって















死んだ人ってのはね。
あれは生きている人が死んだフリをしているから、あんな顔であって、
本当に魂の抜けたご遺体というのは、血の気の通っていない、
冷たい「死体」に他ならない。
それはもう人ではなくなっている。

　あれはモックンがよかった















冠婚葬祭皆同じで、まず遺族の家を見て、人とナリを見て、
あーこの家の財産なら、これくらい払えるだろう、
60万の料理は80万に、棺は中の上で勧めておけ、

　花は？車は？引き出物は？















そんなどんぶり勘定で腹黒い企みが渦巻いている世界。
葬儀屋にもいろいろあるし、
これもやっぱり「人の気持ち」次第なので、
モックンにときめいて、妙な気を起こさないようにお願いしたい。

今仕事がないないって騒いでいる人たち。
この業界とガテンはいつでも大募集中だよ。

　人がコロコロ辞めるから。















「人に言えない恥ずかしい仕事」なんかじゃない、
誰だっていつかは世話になる、誰かがやらなくちゃいけない、
この厳しい世界をやりとおせたら、どこでもやっていけるのでは？
人間の最期を見送った者として。

人に自慢しなくてもいいけど、自信を持っていいと思います。

△閉じる△

数日後、本当に注文が入り、

「小林さん、来てくれないの？」

あ、支店が違いますので、私は行けないんですけれど・・・
と最初に言ったはずだけど、

「あのさー、持って来る人がさー」

エ！
何か間違いがありましたか？
ご迷惑をおかけしたでしょうか？！

「いやいや、そんなことはないんだけど」

作ってるところが一緒だから、お弁当の中身も一緒ですよ。

「んー、そうなんだけどさー」
「ヨボヨボのおじいさんじゃさー」
「大丈夫かなぁ～？！」

( ﾟ∀ﾟ)ｱﾊﾊ八八ﾉヽﾉヽﾉヽﾉ ＼ / ＼/ ＼

この仕事を始めた時も、
「どうして里美ちゃんがそんなことするの？」
「ウチに来てる人みんなおじさんだよ？」

先々で出会う弁当屋らしきドライバー、配達員、確かにほとんどおじさん。
飲食業とはいえ、職種はドライバ、ガテン系だよね。
ウチも9割がおじさん。
男の仕事だと思う時がある。

ただの社交辞令のつもり。
終わる客には皆同じように言って来た。

別に弁当屋なんてどこにだってあるし、ウチの弁当が特別うまい安いとは思わない。
ただ営業担当が突然辞めた時に、こりゃまずいと思って、
なんでも窓口になって面倒を見たかもしれない。
ワガママも聞いたかもしれない。
でもその程度どこでもやってることだし、特別扱いはしたつもりはないのだけど・・・
半年間、お付き合いした中で、とても印象に残る客先だったのは確か。

向こうも毎日顔を合わせる配達員に、何でも言いやすく、
一生懸命やってくれると、次第に情が沸くようになるんだろうね。

「また余計なことをして！」
「かわいいのはわかるが、やりすぎるな」

そんなつもりはなかったけれど、もしかしてそうなってしまっていたのかも。

「思わせぶりな態度で、ボクをその気にさせておき、プイと冷たい態度を取る」

明日の予定はいかがですか？
「んーまだわかんない」
「雨だったらやらないし、晴れたらやる」
「オネイサンが持ってきてくれる（作ってくれる）なら」
「土曜日はおじさんだからいらない」

冗談半分に、ちょっとは本気？
おばさんは気づかなかったけど、ちょっとしたセクハラじゃんね？
セクハラされるくらい女扱いされてるなら、喜ばないといけない。

向こうの支店で、とんだワガママな客を持ってきた、
今までどんな教育してきたんだ？
そんな風に思われてないといいけど。

「小林さん、来ない～？！」

無理だとわかっていて、ちょっとグチをこぼしたかったJさん。
何の罪もない、ヨボヨボのおじいさん。
遠くでこんなこと言われてるなんて、まったく理不尽ですよね。
どうか切られないようにがんばってください！

何やっぱり、たかが弁当屋も女の方がいいワケ？
そりゃおじさんより若い女の方がいいに決まってる？
そういや飲食店のお運びさんはみんな若美しい女が多い。
その方が飯がうまいの？

自分くらいのオネイサン（おばさん）が時々入るけれど、
いつの間にいなくなっている。
続かないんだ。
根性と体力がないとね。
後は運転も好きで、外回りが好きで、一人が好きで、運動が好きな方がいい。

若美しい女なら、そんな苦労をしなくても、他にもっと楽に稼げる。

あ！
それなら女子ばかり集めて、弁当屋やればよくね？
配達員はフルメイクで、夏はテニスウエアみたいにさわやかに、
年齢制限はアラフォーにしとくか。
体型は制服が着られればヨロシ。

そうよ、誰もやっていない仕事をやればいいのよ。
昔ツーリング先で、GSの店員が全員、キャピキャピギャルでビックリ(ﾟДﾟ；)
なんで？ってくらい、粒ぞろいで、一瞬何屋かと、
でも悲しいかな、田舎過ぎて通る車が少なく、とても暇そうでした。
特にボったくられたりはしませんでした。
給油の必要のないバイクも、入れに行ってました（ーー；）

アタシ、やろっかしら？！
誰かイイコいない？
自薦他薦問わず！

さて、出向くには、スーちゃんかモンちゃんか・・・
フルメイクかノーメイクか・・・

　どうですかお客さん？

△閉じる△